北里大学大学院で感染制御　免疫学部門長を務めている阿部さん。日々、忙しく、この撮影の数日後も外国へ論文を発表しに出かけていった。優しくて柔らかい話し方をする一方で、時折、動物的な強い眼差しで、こちらをドキッとさせる。男らしさや攻撃的な部分を決して前面には出さない。むしろ、それを隠して生きているようにすら見える。柔らかい雰囲気でどんな相手でもやさしく包み込む。僕が知っている柔術家は、そんなおとなたちばかりなのである。